愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
「そんな事があったのか?」


「ああ。アイツ、志穂さんの事、“死にやがった”とか言って、バカ笑いしてた。たぶん気がおかしくなってたと思うよ」


「そうか、そうだったのか……。なぜ早く言ってくれなかったんだ?」


「だって、警察にも話してないし、おやじさんと話す機会もなかったし。ねえ、やっぱり警察に言うべきかな?」


「それは言わなくていいだろう。死人に鞭を打つ事もあるまい。志穂さんが同意してくれればだが」


みんなの目が志穂に集中した。


「私も、お父様と同じ考えです」


父親はそれを聞いて「うむ」と頷くと、


「ああ、救われた……」


と呟いた。


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