愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
「おやじさん、それはどういう事?」


「いや、俺が彼を死に追いやったと思ったから、後悔でこっちが死にたいくらいだったんだ」


「そんな事……。アイツの自業自得だよ」


「そう思っていいよな? 俺は、あんな極端な人事をさせるつもりじゃなかったんだ。彼については、今後の行動に注意させればいいと思ったんだ。

ところが、彼は俺の所に乗り込んで来て、志穂さんの悪口を並べ上げたんだよ。自分は誘われただけだと。被害者なんだと。俺はそれで頭に来てしまった。同じ男として、彼を許せないと思った。だからおまえの所の専務に電話して、すぐに何とかしろと言ったんだ。専務は俺の剣幕によほど驚いたんだろうな。いきなり平という、厳しい人事を行ったんだ」


「そうだったんですか……」


「真相を知らなかったら、俺はどうなっていたか、分からん」


「あなた、ごめんなさい。あなたの苦しみに気付いてあげられなくて……」


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