愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
見つめ合う両親に向かい、祐樹はゴホンと咳ばらいをした。


「ラブラブなところを悪いけど、志穂さんの件は……?」


「お、おお、そうだったな。で、式はいつ挙げるんだ?」


父親の言葉に、志穂はもちろんの事、みな目を丸くした。


「はあ?」


「ん? そういう話じゃないのか?」


「それはまあ、その話はこれからしようと思ったけどさあ」


「フライングか? まどろっこしいのは苦手だ。さっさと話を進めよう。な?」


そう言って祐樹の父親は、祐樹にそっくりな笑顔を浮かべた。


さっきまで暗い顔で、落ち込んでいた男と同一人物とは思えない。そう思う志穂だった。


「じゃあ、おやじさんは俺達の結婚に反対では……?」


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