愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
みんなの視線が、今度は志穂に集まった。


「私の実家は東北の片田舎で、小さな酒屋をやっています」


「へえー、そうなんだあ」


と言ったのは祐樹だった。


「ですから、私なんか、こちらの家には相応しくありません」


「志穂ちゃん、それってどういう事?」


と言ったのは杏里沙。他の3人もポカンとした顔で志穂を見ていた。


「つまり、家柄が釣り合わないと思います。言うまでもないと思いますが」


志穂は自分で言って、その惨めさに涙が出そうだった。


「家柄って、うちは普通の家だよ? ねえ?」


と杏里沙が言うと、他の3人も“うんうん”と頷いていた。


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