愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
「何でだよ?」

と祐樹が怒りながら言うと、


「あたし、ニューヨークに行ってると思うから」


と杏里沙は言った。


「ニューヨーク?」


「うん。考えたけど、やっぱりキャシーを日本に連れて来たいから。あの子をボブなんかに任せたくない。きっと辛い目に合うから」


杏里沙はそう言い、目を潤ませた。


「でも姉貴は裁判に負けたんだろ?」


「そうなんだけど、何とかしてみたいの。それに慰謝料を全部注ぎ込んででも」


「資金ならお父さんも援助するから、キャシーをぜひ連れて来て?」


と祐樹の母は真剣な眼差しで杏里紗に言い、父親も大きく頷いた。


「うん、あたし頑張る」


「アリサ、私も祈ってるね?」


「ありがとう、志穂ちゃん」


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