愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
「こういう場所で二人で飲むのって、あの夜以来二度目よね?」


「そう言えばそうですね」


“あの夜”とは、春の歓送迎会の後、私が阿部に連れて行かれそうなところを、祐樹に助けてもらった夜だ。


そして私は祐樹をアパートに連れ込み、その夜の内に体の関係を持ってしまった。


「ごめんね、あなたをたぶらかしちゃって。その気もないのに、酔ったあなたを無理矢理……」


「そ、そんな事ないですよ。確かにあの晩、俺は酔ってましたけど、分別をなくす程じゃなかったです」


「そうかしら。だとしても、酔った勢いだったでしょ?」


「志穂さんはどうだったんですか? 勢いだけだったんですか?」


「私は……」


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