愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜
祐樹のような容姿も性格もいい男の子が、何でわざわざ私みたいな年増の女なんか……と思ってしまう。


トイレで聞こえた噂話でも、祐樹を誘う女子は一人や二人ではないと想像出来たし。


「どうして私なの? 他に若くて可愛い女の子がいくらでもいるじゃない?」


「そんな事、知りませんよ」


「知らないって……」


「好きになる事に理由って必要なんですか?」


「それは……」


確かにそうかもしれない。
カッコイイとか、優しいとか、好きな人のよい所を挙げるのは簡単に出来る。


でも、好きになった理由がそれらであるとは限らない気がする。

何かをきっかけに突然好きになったり、自分でも気付かない内に、いつの間にか好きになっていたとか。


好きになるって、理屈では説明出来ないのかもしれない。


「でも……」


< 99 / 220 >

この作品をシェア

pagetop