愛☆Love
地味男の隣
前のちーちゃんが後ろを向いて
コソっと呟いた。


「隣災難だね…よりによって
斎藤なんてさ。」


「本当。11番がよかったかも」


「それ言いすぎじゃん(笑)」


「そうかな(笑)?」







「よし、これで見にくい奴は
いないな?」


「「「「はーい」」」」




「じゃあこの席で6週間やってくれー。
あ、それと今週から隣の席の奴と
日直なー。遅刻すんなよ!
特に森月!」



「な…名指しですか?!」


「当たり前だろ?お前が学校1遅刻してるん
だからな。」


「は…はぁ。……がんばります…」



「先生にお墨付きもらったね!」


「いいお墨付きじゃないけど。」




「あ、あの…森月さん……」


「へ?」


「今週から…その…よろしく……」


「…あ、あぁ…よろしくね!」




そうして何事もなく
時間は過ぎて行き――……



「はっ……!今日日直だ…!」


今7時15分。



自己ベスト記録更新の早さ…


そしてテキパキと準備して
30分後……



「いってきます」

と家を出て行った



学校には5分で着く距離だから
50分に学校に着いた。




案の定誰も居ない……
と思ったら



「あ、森月さん……」


「……?」


「ここ、ここ」


「その声、斎藤くん?」



教室から声がするのに
斎藤くんの姿はない。



「森月さん……ここです」


バシッ……

「な…なに?!」



頭から降ってきたのは
雑巾。

その上を見ると………



窓ガラスのふちに捕まっている
斎藤くんが…


「な…なんでそんなとこに……」



「いや…窓拭いてたらさ…
降りれなくなっちゃって……」



は……はぁ…
だからってそんなとこ
拭かなくてもなぁ……


「……降りれないの?」

「はい……」

「はいっ椅子!」

「あ、!ありがとうございます…」


私ってやっぱ優しい。
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