~王子様に逢いたくて~
琴音Sied
そっか………聞いてたんだ…
「心配かけてしまってすみません。でも、あたしなら大丈夫です!」
本当はとっても怖い…………
「嘘。なんで本当は怖いのに我慢するの?我慢ばっかりして疲れないの?」
「だって………皆に迷惑かけたくないから…………!皆が笑っててくれればいいの。あたしが我慢しないと………」
「じゃあ君は俺が守る」
「はぁ?いきなりどうしたんですか?」
この人は一体何を言ってるんだろう…………
私なんか誰かに守ってもらっていい人間じゃないのに………
でも、もし一つだけ願いをいっていいのなら幸せになりたい………
「あたしは幸せになってもいい人間なんでしょうか?」
「幸せになっちゃいけない人なんかいないんだよ。君は今まで人のために頑張ってきたんだろ?もう十分なんじゃないかな?今度は君が幸せになる番だよ」
「……ふぇ……ヒック……本当になってもいいの?……ッ……!なんの取り柄もなくて、人に迷惑ばっかりかけるんだよ!!そんなあたしが幸せになんかなっちゃいけ…………えっ?」