お嬢様の秘密
「言えよ。ユリために。昔あの女に仕えたことあるんだろ?」


そうだったんだ....。


「いや、言わねぇーよ。学園長に止められてるから。」


また学園長…。


あの人は一体何を考えてんの…?


「特に大したやり方じゃないなら言えばいいのに。しかしシルバー様....そこまでして口止めする「玲央!その話しないで!」


わたしが遮った。


よくわからないけど情報をブロックしてるのなら何か理由があるはず。


今は信用は少しできるようになったからシルバー様のご厚意に甘えたい。


「お願いだから....。」


私の表情をさとった夏菜が話題を戻してくれた。


「真理亜について情報はほかにないの?」


「ある。アイツの執事は、Mr.ジャック。イギリス人の家系で執事のランクはS。」


Sが一番いいんだよね。


「でも、これ以外情報はない。」


「真理亜はどこの寮なの?」


玲央と葵はお互い顔を見合わせて首をひねった。


「そう言えば聞かないなその話。お前みたいに。」


「俺の部屋ってなんで知られたことないんだろな。俺はもうバレたと思っていたが....。」


その時、夏菜が呟いた。


「眉目秀麗、多分頭脳明晰。この完璧さはqueenね、まるで.....。」


「昔、っていっても玲央達が来る前まで真理亜のことをqueenって呼んでたな。」


queenか…。


あの人何かある。


だんだん現実的じゃなくなってきた....。


そもそもこの学園自体現実的ではないんだけど。


「あっ。ちなみに、本人の前では態度を慎めよ。怒ると退学まで追い詰められるから。」


玲央の少し緊張したような声は初めて聞いた。


それほど心配してるんだよね、みんなを....。


「分かった。」


みんなを代表して私が返事をする。


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