お嬢様の秘密
-葵side-


あの態勢....。


意識なしか?


鈍感って怖えーな....。







あの学園長室にいたときからユリは少しだけ溜め込まなくなってきたような気がする。


気がするだけだがな。


「葵?どうしたの?」


隣にいるユリが話しかけてくる。


そっと首をかしげて…。


自覚なし?


「わりぃ。ちょっと考え事してて。」


「そっか。こっちの作業は終わったよ。」


「俺も終わった。」


「よし。じゃあ明日。ダンスパーティー楽しもうね。」


そうか。


もう明日か…。


作業が何気楽しくて忘れてた....。


ってちょっと待て。


「ユリ?お前誰と踊るんだ?」


「なんでそんなこと聞くの?私は踊らないよ?太らない程度に食事をしとこうかなって。」


ユリらしい答えだが....。


「ダンスパーティーは一曲必須だけど。」


「えっ!!嘘でしょ!うわぁなんでよ!!」


頭を抱えて悩み始めた。


知らなかったみてーだな。



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