お嬢様の秘密
「どうしよう。シルバー様に言ったらなんとかなるかな?」


「それは無理だろ。偉い人が集うんだろ?」


「あっ!そうだった!でも庶民は絶対シルバー様のためにでない方がいいよね...。」


あの人なら意地でも出させるだろう。


こうなったら...。


「ユリ。じゃあ俺と踊らない?」


スっとユリに近づいて誘ってみた。


とたんにユリの顔が赤くなった。


「どうした?リンゴみてーに赤くなったけど?」


「な...何でもないよ!」


さぁ、なんて返ってくるのか?


「わ、私でいいの…?庶民なんかと踊って恥かかない?」


こいつは何を考えてんだ?


大体他の女よりずば抜けてんのに...。


立ち振る舞いがめっちゃ綺麗なのに庶民って言ってもバレねぇだろ。


「恥なんかかくわけねぇーだろ。じゃあよろしくな。」


「う...うん//。」


ーコンコン


もう6時か。


じゃあもうすぐ理央兄が来るな。


「お嬢様。お時間でございます。」


「じゃあ葵明日ね。」


「あぁ。」


明日のダンスパーティーは夜7時から。


準備は執事達がやる。


主人にはやらせないらしい。


俺は明日が楽しみになった。


-葵side end-

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