お嬢様の秘密
「夏菜?私...葵に誘われたの!」


「やっぱり!」


今、夏菜と電話中。


理央は執事用の部屋で待機中。


「夏菜は玲央と?」


「それが、玲央ってユリの第2執事でしょ?執事とは一緒に踊れないかも...。なんかそんな掟があるって聞いたことあるんだよね....。」


情報通の夏菜は嫌な情報も手に入れてしまうのか....。


「大丈夫!私がシルバー様に頼んでこようか?」


「お願いしていい?」


「いいよ。じゃあ、また明日。」


そこで切った。


夏菜は昔から私を助けてくれるから今度は私が助けなきゃ!


「理央?今からシルバー様にアポ取って。」


「すでにお取り致しました。しかしシルバー様ならお嬢様の場合はアポイントはいらないとおっしゃっていましたよ。」


「そうなんだ。でも取ってくれてありがとう。」


軽く身支度して寮の屋上に止まっていたヘリに乗り込み、校舎に向かった。


「ねぇ、理央?学園長の部屋ってどこ?」


「...お嬢様。ご存じなかったのですか?」


「いつも、葵についていったから....。」


「学園長室は、本当に行きたいと願った人だけ現れるのでございます。」


「何それ?」


「校舎の一番端のドアはお分かりですか?」


「あそこ壁じゃない?」


「それが…。本当に行きたいと思われているとき、または部屋の主が呼んでいるときに通れるのでございます。

この学園の創設者は非常時以外は立ち入れないようにカラクリ館を作りたかったそうで、その名残が残っているそうです。」


「へぇ。」


じゃあ今は開くよね。


開かなきゃ困る!
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