お嬢様の秘密
ブーブー


俺の携帯が震えた。


「ユリから....?」


俺はすぐに読んでみた。


“すぐ行くね。今どの辺りにいるの?会場が広くて迷子になっちゃった。”


アイツ執事に頼まなかったのか....?


アイツ、基本的に人を頼らず自分でやろうとするよな?


表の性格で人に頼み事をしているようだ。


電話をかかってきた。


「もしもし...葵?今どこにいるの?」


「1階席の真ん中。お前、執事に俺の居場所を聞かなかったのか?」


「だって、いなかったの。それに私本当は人を頼るの慣れてないんだもん...。この学園に来て、無理矢理やってるの。」


やっぱりか....。


怪我してても自分でやろうとしてんのか………


ービーン


おっ、ステージが開いたな。


「お待たせしました。只今より第102回、裃学園舞踏会を開催します。」


「ヤバイ。葵?始まっちゃった....?すぐに行くね!」


「ユ、ユリ?」


ヤバイ、電話切られた....。


アイツホントに大丈夫かよ....?



-葵side end-

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