お嬢様の秘密
「皆様。最終ペアのアンコールですが、時間の都合上無しとさせていただきます。申し訳ございません。」


はぁ.....助かった。


「では皆様、もう一度拍手をお願いいたします。」


皆残念そうにしてたけど大きな拍手をくれた。


「では、ここで15分の休憩と致します。」


桜井の言葉と共に幕が張られた。


「ユリ、退場しようか。」


「うん。」


私が歩こうとしたとたん。


「っ!痛い......!」


咄嗟に葵にもたれかかった。


「良かったな。アンコールとかやられても出来なかっただろ?」


私の心中お見通し…。


じゃなくて退場しなきゃ!


今からここは表彰式の準備があるから早く行かなきゃいけないし。


歩こうとしてもやっぱり痛い。


「痛っ.....。」


「無理すんな。」


そう言って私の前にくるとフワッという感覚になって....。


私は葵にお姫様抱っこをされていた。


周りには執事たちがいるから恥ずかしい!


でも、今は歩けないからそんなこと考えてる場合じゃない!


ここは葵にすがるしかない。


「お前軽すぎ。」


「そんなことないし。」


「理央兄!皆に口止めしといて!」


「かしこまりました。」


「じゃあ、楽屋に戻ろう。」


「うん....。」

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