お嬢様の秘密
「ユリ!起きろ!」


「おはよう....って葵!?あっそっか。」


そういえば寝かせたてもらったな。


「葵ゴメンね?寝れなかったでしょ...?」


「気にすんな。いい夢見れたし。」


「ホント?それ私もなんだ。じゃあ私部屋戻る....「ちょっと待て。」


ね。


と言おうとしたら遮られた。


「今日はずっと一緒にここのモニターで授業を受けろ。」


「何で?」


葵とずっと一緒って…。


「怪我してるだろ。だから授業はここのモニターで受けろ。」


「でも私怪我大丈夫だよ。」


そう言って私はベットから起き上がって立とうとしたが、よろけてしまった。


「きゃっ!」


「ほら大丈夫じゃねぇーだろ?」


「うん....。」


葵が倒れる寸前で抱きとめてくれた。


「昨日よりひどいんじゃねぇのか?」


葵の端正な顔が少し曇っている。


「今日の後夜祭休め。」


「いや!大丈夫出るから。」


「無理すんな。」


それこそ迷惑....。


「他の女の子と踊ってほしくない....。」


ポツっとつぶやいてしまった。


「ユリ?嬉しいこと言ってくれるじゃん。分かった。但し移動は俺が運んでやる。」


「えっ....やめてよ。車イスでいいから。」


私重いよ?


「昨日は何で許したんだ?」


「だって歩けなかったから....。」


語尾が小さくなる……。


「今日だって同じだろ?」


「わかったわよ…。」


授業は軽くやっただけだった。


モニターで見ながら葵に教えてもらった。


もう一度ドレスアップするまで。


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