お嬢様の秘密
-玲央side-


兄貴は?


葵も。


あいつら知ってんのか?


取り合えず葵に電話をかけた。


早く出ろ!


「もしもし....玲央?お前からかかってくるとか珍しいな。」


この場において似合わない呑気な声。


「お前何そんな余裕もってんの?ユリがいなくなってんだぞ!」


「は....。まさか。真理亜が.....?」


「お前心当たりあるのか?」


「俺、今しがた真理亜に告られたから、フッたんだよ。」


今大事なときになんで、そんな話を.....!


俺はイライラしていた。


「後から付き合うことになるんです...って言いやがった。」


「どう言う意味だ?」


「俺がそれ聞きたい。」


待てよ?


10年くらい前....。


あのときもユリいなくなったよな?


お昼すぎ.....あの時も冬だった。





「教室はユリがいなくなったことに気づいていない。情報を簡単に消せる真理亜が怪しい。」


「俺はそうは思わないがな。取り合えずお前も捜せ....って言わなくても捜すと思うけど。」


「分かってる。理央兄は知ってるのか?」


「さあ?ユリがさっきの授業受けてる時はいたけど....。そのあと見てないんだよ。」


「そうか....。俺、吉崎と探すからお前は早く理央兄と連絡しろよ?仲悪いだろうけど。」


「あぁ。」


さすが葵。


気の合う親友で良かった....。


-玲央side end-
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