お嬢様の秘密
「校内マップをお持ちなのが確認できたので、我が校の教育方針について話します。」


教育方針?

「裃学園は未来を担う人材を育てる場所です。なので、普通の学校とは少し違う授業を行っております。例えば茶道、会話術などですね。
生徒の割合を見ますとご子息やご令嬢が学園の7割いらっしゃいます。残りの3割は一般の生徒です。」


「一般というと?」


気になったので聞いてみる。


「父親がサラリーマンとかですね。そう言った極々普通の家の人のことをいいます。」


夏菜も質問をした。


「その人たちって....学費払えてる?」


おいおい....なんかその言い方失礼じゃないか?


心の中で突っ込む。


「はい。なぜかといいますと、成績が優秀な生徒は学費は一切無料という制度を設けているからです。制度を使えるのは1学年に5人だけですが。」


すごい制度。


「しかし、成績が急に落ちても大丈夫です。基本的には学費は1ヶ月2億ですが、家の収入によって学費は1ヶ月3万円に変えられます。」


そりゃそうしてくれないと一般家庭は困るよね。


じゃないと借金抱えることになるよね....。


じゃあみんな学費を3万円にするんじゃないの?


「我が学園に通っている人の9割が1ヶ月2億という学費で設定しております。これはプライドがあるからです。」


要は金持ちであることを威張りたいのね。


上流階級にあるよくあるパターン。


「質問は大丈夫ですか?では説明があとになりすいませんでした。簡単に校内をご説明いたします。」


ここから2時間ほど説明してくれた。


・教室の位置


・敷地内にある数々の庭園


・学園長室や職員室の場所と入るときのルール。


・食事場所


・立入禁止区域


・寮について


庭園の説明っている?って思ったけど、説明してくれてくから聞いておかなくちゃ。


でも、今はテスト期間なのになんか全然関係ないこと覚えてる....。


「以上で説明を終わります。ご質問のある場合は桜井さんにお聞きください。」


「ユリさん、夏菜さん、玲央。正式に転入するのは来週のテストが終わってからよね。
学園で待ってますから。」


ローゼ様は学園長らしい綺麗な笑みを浮かべた。


そして、お母さんの部屋を出た。
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