お嬢様の秘密
-理央side-


俺は秋本グループ本社の社長室にいた。


お嬢様の華道の授業が終わってからすぐに来たから少し息を乱してしまった。


「旦那様。孫娘様にはまだお話ししておりません。」


「なぜだ。」


「今、少しいじめられており秘密を言った時の精神状態が危うくなるかと。」


「いじめられているのか!?何故止めない?」


「いじめられているというのは私の勘ですが...。だとしたら首謀者は真理亜様でございます。表立っては動いていませんが最近よく教室に車椅子内で来ております。

もともとあまり関わらないようにしていたユリ様ですけど、夏菜様が少しでもお側を離れた時にクラスの女子から睨まれております。」


「アイツか....。それは厄介。理央、お前に聞くがお前はあの娘のことが好きだろう?」


「えっ.....いいえ。」


「今動揺したのにか?はははっ。ワシは怒らんぞ。」


ーブーブー


ポケットの中の携帯が震えている。


誰だ.....珍しい玲央?


「すみません。珍しく弟が....。」


「ここで構わん。出ろ。」


「では失礼いたします。」


許可が下りたのでとりあえず出てみた。


「お前からかけるなんて珍しいが何かあったか?」


「お嬢様がいなくなった。」


「は....?」


「兄貴も捜すだろ?」


「ちょっと待て。」


俺は旦那様を見た。


「お前はここにいろ。どうせアイツが一番最初に見つける。」



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