お嬢様の秘密
国松さんはとても細かく丁寧に説明してくれた。


ローゼ様って玲央のことを呼び捨てしたよね?


顔見知りだったのかな?


「やっぱ広いね。でも迷ったら桜井さんに聞けばいいんじゃない?」


「うん...。そう言えば夏菜って執事とか慣れてるの?」


「うん。私の家にもちゃんといるし。」


「え...?ちなみにさ....。夏菜の家ってすっごい広かったよね。」


小さい頃は毎日のように行っていた。


小さい頃習わされていた茶道とか、剣道とかも夏菜の家で習っていたな....。


和室がとても多い家。


外見は日本家屋。


「そう?でも私の家のこと言ったことなかったっけ?実はね....。浅井家って知ってる?」


「あぁ。華道や茶道の名家?」


「私ってそこの一家なの。本家の血筋で一応兄がいるけど会社継ぐから、そういう‘道’系は私が継ぐことになってるの。」


え?


夏菜って一人っ子じゃなかったの?


「一人っ子じゃなかったの?なんで言ってくれなかったの?」


思わず目を丸くした私に夏菜はすごく驚いていた。


「知ってると思った....。だって玲央も知ってるんだよ?

それに昔3人で一緒に茶道とかいろいろ習ったじゃない。あの先生はみんな私の親戚だよ?」


「玲央?ホント?」


「あぁ。気づかない方がおかしいんじゃね?」


「お母様がね、裃に入るときに知らなさそうだったら打ち明けろって言ったから。お兄ちゃんのことはただ言いたくなかったの。その.....。結構シスコンだから....。」


気まずそうに答える夏菜。


なんで私今まで夏菜のお兄さんに気づかなかったんだろう?

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