お嬢様の秘密
「私は由緒正しい秋本家の後継者。なのにあなたを殺したなどとあらぬ噂を立てられてしまっては後継者に選んでいただけないのよ。

そもそもあなたが悪いのよ。」


「わ、私?」


何か真理亜様にしたっけ………?


「あなたが消えてくれない限り私は後継者候補の一人のまま。あなたを殺せば真っ先に疑われる。それは分かっているわ。

だからあなたから勝手に命を絶ってくれたらよかったのに………。

理穂と美穂に任せたらこんなことになってしまったわ。結局私は疑われるわ、何もしていないのに。」


そう言った真理亜様の目はとても怖かった。


じゃあ最初から私を殺そうとしないでよ。


この人いったい何を考えてるの?


「生かしといてあげる。その代わり。」


「何?」


「グループ社長の跡継ぎの座を私に譲って?あなたが正式にお祖父様に言ってくださらない?」


「え………何のことでしょうか。」


「あら。聞いてなかったの。お気の毒に。」


御愁傷様と言いたそうな顔になった。


「聞かされてないならあなたには関係ないわね。話すだけ無駄だったわ。このようじゃ私が継げそうだし。」



オホホホと笑いながら地下室を去っていった。


何の話?


私には……関係ないよね?



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