お嬢様の秘密
「いつ.…….今の場所から出れるか分からないの。どこにいるかも分からないの。」


「そんな....。嘘だろ?」


「葵、私のお母さんにそのことを…………。」


葵、少し電話代わってと言われたので携帯を返す。


「もしもしユリさん?お母様にはもう言ってあるわよ。」


「さすがシルバー様、いえ、警部以上でいらっしゃいますね。」


「いえいえ.....そんなことないわ。」


「すいません.....。もうそろそろ.....切ります。」


「えっ?」


ーツーツー


「き、切れた……。」


「ローゼ様、着信履歴は?」


「え?ユリになってる。……ってことはあの子は自分の携帯でかけてる……。」


「そのようになります。」


「盗聴の可能性があるってことね。きっと最初から気付いていたと思うけど、危険を承知で安否確認をしたんだわ。」


だからすぐに切った....。


充電も気にしたのかもしれないけど。


「メールはどうですか?」


「考えてみるわね……。でそれより国松。まだ?」


「あと10分でございます。」


ったく。


学園からは遠いわね……。


「さっきあと5分と国松さん言いましたけど、今からどこへ向かうのですか?」


「どこって……警視庁よ。」


あれ?


言ってなかったかしら?


「警視庁....。さすがですね。」


「親戚が警視総監やってて。だから無理言って私が学園長と刑事を一緒に出来るようにお願いしてるの。」


「警視総監ですか....。華麗なる一族....って感じですね。」


「その後継者はね....…常々苦労させられるのよ。」


「今現在後継者は?」


「さぁ?誰かしら?実家に帰ってないから分からないわ。」


適当に口を濁した。


-莉依紗side end-
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