お嬢様の秘密
―ガラ....


「夏菜様。シルバー様のご命令によりお迎えにあがりました。」


「ちょっと今授業中なのですが………って桜井様?」


先生の声にみんなの間にどよめきが走った。


「さ、桜井様ってあの...学園長の...。」


「執事よね!?」


「なんで夏菜さんを...。」


私は玲央の方をチラッと見た。


『行くぞ。俺にもメールが来てた。』


はっきりとそう言っていた。


「夏菜様。お荷物はあとで私が運びます。お急ぎくださいませ。」


「分かったわ。」


ここは梶原に任せよう。


「夏菜、行くぞ。竜也様、俺は準備できております。」


「え?玲央様も!?」


「何で!?」


「いてくださいませ!!」


案の定、女子からの声。


「ゴメンね。俺も一緒に行くんだ。」


女の子達をさらっとかわして私の腕を掴んだ。


「さあ、行きましょう。荷物は既にまとめました。」


梶原……早いわね....。


梶原、竜也様、私、玲央の順で教室を出た。


「皆様お騒がせして大変申し訳ございません。緊急事態により浅井様、桜井様はこの時間をもちまして早退扱いとさせていただきます。


安藤先生よろしいですね?」


「はい....。学園長様にわかっていますとお伝えしてください。」


竜也さんが先生にわびをいれ、静かに教室のドアを閉めた。


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