お嬢様の秘密
「あ...あなたは...恵梨香様....。」
吉崎がさっと立ち上がり………ゆっくりと一礼した。
「もう何年ぶりでございましょうか......。
お久しぶりです。お元気そうで何よりでございます。」
今は高澤家に仕えているので吉崎が恵梨香をお嬢様と呼ぶことはない。
「あのときお父様に仕えていた吉崎よね?ごめんなさいね....。
私、すっかり忘れてしまっていて...。家が没落してから初めて気づいたの。メイドや執事....。いてもらえる大切さ....。」
恵梨香はパタンと膝を折り泣き始めた。
「恵梨香様。謝らないでください。私は旦那様にとてもよくしていただきました。
西月家に仕えられなくなった時、私は執事を辞め、別の仕事を探そうと考えていました。
それを旦那様は必死に止めてくれたんですよ。
『あなたは執事としてやっている時が一番いい。』と。その上私のお仕え先も下さりました。それが今の高澤家です。
私は西月家に感謝しきれません....。」
「吉崎....。」
やっぱり会わせて正解だったわね。
緊急事態の時だけど私の口許には笑みがこぼれていた。
―コンコン
「皆様お菓子をお持ちいたしました。」
2人が落ち着き始めたころ、竜也がお菓子を持ってきてくれた。
「ありがとう。あなたもここに座って。」
「いえ。私は執事ですので....。」
「そんなこと言わないの。玲央を座らせてあなたを立たせるなんてできないわ。立ちたいなら玲央も立たせなさい。」
私がそう言うと竜也は恐る恐ると行った様子で座布団に座った。
「本題入ってもいい?」
みんなの同意を求めた。
「シルバー様。ユリと関係ある話ですか?」
「分からない....。あくまで私の予想だから。夏菜さん。学園のこと知ってみたくない?」
「え....。」
夏菜さんの目に少し驚きの色が映った。
「確かに聞いてみたいかも。たとえユリと関係がなかったとしても....。」
「分かった。でもちょっと待って。あと少しで大樹が来るはずだから。」
「大樹?」
「えぇ。私の夫。」
これでみんなに秘密がばれてしまうわね。
恵梨香以外に....。
-莉依紗side end-
吉崎がさっと立ち上がり………ゆっくりと一礼した。
「もう何年ぶりでございましょうか......。
お久しぶりです。お元気そうで何よりでございます。」
今は高澤家に仕えているので吉崎が恵梨香をお嬢様と呼ぶことはない。
「あのときお父様に仕えていた吉崎よね?ごめんなさいね....。
私、すっかり忘れてしまっていて...。家が没落してから初めて気づいたの。メイドや執事....。いてもらえる大切さ....。」
恵梨香はパタンと膝を折り泣き始めた。
「恵梨香様。謝らないでください。私は旦那様にとてもよくしていただきました。
西月家に仕えられなくなった時、私は執事を辞め、別の仕事を探そうと考えていました。
それを旦那様は必死に止めてくれたんですよ。
『あなたは執事としてやっている時が一番いい。』と。その上私のお仕え先も下さりました。それが今の高澤家です。
私は西月家に感謝しきれません....。」
「吉崎....。」
やっぱり会わせて正解だったわね。
緊急事態の時だけど私の口許には笑みがこぼれていた。
―コンコン
「皆様お菓子をお持ちいたしました。」
2人が落ち着き始めたころ、竜也がお菓子を持ってきてくれた。
「ありがとう。あなたもここに座って。」
「いえ。私は執事ですので....。」
「そんなこと言わないの。玲央を座らせてあなたを立たせるなんてできないわ。立ちたいなら玲央も立たせなさい。」
私がそう言うと竜也は恐る恐ると行った様子で座布団に座った。
「本題入ってもいい?」
みんなの同意を求めた。
「シルバー様。ユリと関係ある話ですか?」
「分からない....。あくまで私の予想だから。夏菜さん。学園のこと知ってみたくない?」
「え....。」
夏菜さんの目に少し驚きの色が映った。
「確かに聞いてみたいかも。たとえユリと関係がなかったとしても....。」
「分かった。でもちょっと待って。あと少しで大樹が来るはずだから。」
「大樹?」
「えぇ。私の夫。」
これでみんなに秘密がばれてしまうわね。
恵梨香以外に....。
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