お嬢様の秘密
「でもお前のお目当ての昔のデータが倉庫から見つかったよ、りい。」


「倉庫って....。お義父様の屋敷のところ?それとも私の実家?」


「俺の家。」


「なんで?この学園は学園長以外ほとんど私の家系が継いできたものなのに。」


「順を追って説明するからみんなは一回黙ってて。」


「分かったわ。」


「とりあえずどこから話したらいいかな....。この学園はいつできたかってことから。」


「それは100年くらい前からじゃないの?」


「いや、違う。200年前から。」


「秋本社長...「大樹でいいよ。今は。」


「じゃあ大樹さん。200年前って江戸時代末期じゃないですか!」


「そうなんだよ。まあ当時は学園としてではなく今で言うデパートのようなものを作って商売をしようとしていたみたいだけどね。

あの時代の混乱の中でよくそんなこと考えるよな。全く呑気な先祖だ。」


「話が脱線してるわ。」


「あっゴメン。で、この資料をみて。」


大樹さんは手袋をはめ、資料をみんなに見せた。


「けっこう古いわね。でもすごくきれいに保たれている。」


「そうだな。資料管理はかなり前から徹底的に行われていたみたいだから。で、ここ見て。」


「創設者。山岸新太郎....秋本宗一郎.....。ってまさか。」


「莉依紗様、大樹様の祖先に当たる方ですか....?」


「ちょっと待ってください。」


俺はあるものを見つけた。


「もう1人名前がありますよ。えぇっと....。西月太一。」


「これは本物だって鑑定してもらった。嘘じゃない。」


「莉依紗様の旧姓は山岸でいらっしゃいましたよね。偶然にしては名前が一致してますけど。」


「たぶん俺らの祖先が3人でこの学園を作ったんじゃないか?」


大樹さんは俺らの顔を見回した。
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