お嬢様の秘密
-真理亜side-


ユリを幽閉してからだいたい1カ月くらいかしら。


私にとってはとても有意義だった。


男子はみんな私の虜になる。


女子は私に従ってくれる。


やっぱり私は最高の地位にいることがふさわしい人間だものね。


理穂は私の駒だったのに、ちゃんと動かなかった。


危険な行動に出た上に後始末を私に任せるような真似をして。


だから捨てた。


いわゆる捨て駒ね。


あと私にとって動かせる駒は美穂と陽菜ね。


理穂に従っていた陽菜は信用できないけど。






そういえば教室には行ったけど今日はなんかおかしな日だったわね。


学園長が夏菜と玲央様を急に呼ぶなんて。


葵様もいなかったし。


あの3人はグルかしら?


だとしても私の力に敵うわけないわ。


「理央様。」


ユリがいないのでそのスキに理央様を私の執事にすることに成功した。


「お呼びでしょうか。」


「一緒にベッドに入って私を寝かせて。」


「お断りいたします。」


結構理央様って固い人。


私になかなか落ちない。


でも理央様が執事じゃないと困る。


理央様が執事だったら私は秋本家の正式な跡取りとなれる。


「真理亜様。早くお休みくださいませ。」


「今日は良いじゃない。体調がいいんだし。ジャックも起きてていいって言ってくれてるのよ。」


「お休みくださいませ。油断は禁物でございます。」


「分かったわよ....。理央様、私のことをお嬢様と呼んで?」


「....お嬢様。」


「ありがとう。」


いつまでも真理亜様って呼んでいるようではダメなのよ。





それにしても嫌な予感がするわね。


「理央様。ゴールド宮の場所まだ分からないの?」


「えぇ....。かなり手こずっておりまして....。」


「上空から見たの?」


「それが上空は霧がかっておりまして....。」


「そう。」


「申し訳ございません。」


「良いわ。じゃあお休み。」


理央様は部屋を出ていった。





ゴールド宮の場所ってなんで分からないのかしら?


私にふさわしいのはゴールド宮。


必ずどこかにあるはずなのに....。


私の今いる寮は確かに歴史ある趣だけどゴールド宮じゃない。


割と最近に建てられたという通称フラワー宮。


早く見つけなければ....。


ゴールド宮は権力の証。


そして.....秋本家の後継として万全な地位を得ることのできる大切な道具なのだから...。




-真理亜side end-
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