お嬢様の秘密
-葵side-


どこだ?


広すぎて捜せねぇー!


作戦会議では必ず学園内にいるはずだと。


外だと警察がいるから捕まりやすいし。


なによりこの学園は隠し場所が無数にある。


この学園に長く住んでいる人なら結構分かってるはず。


どんな人でも簡単に従わせることができる真理亜ならなおさらだ。





こんな時に電話?


誰だ?


俺は名前を見て思わず目を開いた。


「....ユリ?」


嘘だろ?


とりあえず出てみるか。


「もしもし。」


「葵?私、ユリ。」


「はぁ?何言ってんだ?携帯だぞ?」


「あはは....そうだったね。」


電話に出たのは....確かにユリで以前と変わらない声だった。





「んったく....。元気そうだな。」


「うん。ありがたいことに。」


「お前今どこに.....「捜さないで。」


今なんて....言った?


「捜さなくていいから。」


「はぁ?!.....なんでだよ!?」


「美穂が....助けてくれるって....。」


「それ、ほんとかよ?」


人をあまり信じないって浅井から聞いてたのに....。


「ほんとだよ。だけど部屋に送ってくれるわけじゃない。確実に救出するためにどこに逃げられるかわからないんだって。」


「それ、莉依紗様に言うからな。」


「いいけど莉依紗様って誰?」


「それは後で教える。」


これ大丈夫か?


盗聴されてないよな?


とりあえず莉依紗様に報告....。


-葵side end-


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