お嬢様の秘密
-理央side-


ビビった。


お嬢様がここまで鋭い思考をお持ちだったとは...。


でも玲央との関係をばらすわけにはいかない。


奥様たちに固く口止めされたくらいだからな....。


「桜井?どうしたの?」


「何もありませんが。」


いつの間にかお嬢様に迷惑をかけていたようだ。




それから。


俺はテキパキと荷物をまとめ、奥様の部屋に向かった。


「そう....。でもばらすなんてもってのほかよ。それは分かっているわね。」


「はい。しかし、ばらしたくない理由とは何でございましょうか。」


「あの子から玲央をとったら精神的負担が増えそうじゃない?『何で今まで教えてくれなかったの?』って。」


「本当にそうでございましょうか?」


「それにあなたたちのことも考慮してるのよ。兄弟とばらさない方が仕事もしやすいでしょ?」


「それはそうですが.....。」


「私の言っていることに間違いはあるかしら?」


「いいえ、ございません。」



俺は奥様の部屋を出た。


確かにお嬢様にばらさない方がいい気もするが.....。


お嬢様はどのようにお考えなのか。


玲央との関係を知りたいと思われているのではないか。


しかしそれを話すとかえって全てを話さなければならなくなる。


危険な橋を渡りたくはない。


ここは奥様に従おう。


俺は食堂へ行き、夕食の準備をし始めた。


-理央side end-



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