お嬢様の秘密
-沙那side-


電話の後のお姉様はとても暗い。


でも、こればっかりは簡単には従わなさそう。


「お姉様……。」


「ばれなきゃいいのよ。大丈夫だから。」


そう言うお姉様は無理に笑った。


いつもそう。


私には協力を求めない。


自分一人で解決しようとしてしまう人。


だから16年前、私を頼ってくれたのはとても嬉しかったのに……。


「お姉様。もうそろそろ寝ましょう。」


「そうね……。私はユリのところに行くわ。あなたは寝なさい。」


「でも明日はお姉様はパーティーに行くんじゃ…。」


クマが見える顔では出てほしくない。


お姉様はとても美人だから。


「大樹1人でいいわよ。私は最近は行ってないし。行かないことくらいお義父様もお見通しでしょう……。」


「そう…。」


「気にしないで。主催者は格下だし、行かなくても大したことないのよ。」


私たち2人は一旦廊下に出た。


「おやすみ。」


「お姉様も。」


私には何も出来ないのだろうか……。


-沙那side end-
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