お嬢様の秘密

翌朝。


「ん……。」


「あら？よく寝れたかしら？」


見たことのない部屋。


そこにシルバー……。


……！？


「えっ？シルバー様？」


「莉依紗でいいわよ。あの二人もそう呼んでるし。但し、他の人には言わないことね。」


本名は莉依紗なんだ。


知らなかった………。


股に力を入れ、起きようとしたとき。


ーグラッ


「起きちゃだめよ！昨日熱があったんだから…。それにまだ足の状態が良くないからしばらくは体を支えることは難しいわ。」


そうなんだ………。


で、ここはどこ？


「ここは私の屋敷よ。医務室だけどね。」


保健室みたいに寝心地のいいベッド。


「この車椅子に乗ってくれる？」


どこからともなく莉依紗様は車椅子を出した。


「いや……私歩きますんで……。」


「そんなことさせるわけにはいかないわ。」


ーパチン


莉依紗様は右手を鳴らした。


「起きたんですね。」


入ってきたのは……。




「葵？」


「あぁ。外で待っててな。」


「じゃあ葵、みんなのいる部屋までよろしくね。」


「かしこまりました。」


ちょっと！


なんの話してるの？


と、考えていると、体がフワッと中に浮いた。


もしや…！


お姫様だっこ……。


葵の顔がめっちゃ近い……。


よかった、いつのまにか莉依紗様はいなくなってて……。


起きてすぐのドキドキ感は体に悪いよう……。