お嬢様の秘密
「大丈夫だな。この様子だと。」


「え?」


何を言い出すんだ急に。


葵は眉を少し下げて心配そうに私を見た。


「なあ。あと一週間後に進級テストがあるんだが、この部屋で受けるか?それとも教室に行くか?」


一週間後に進級テスト?


それ初めて知っ.....


え!?


「一週間後にそんなテストがあるの!?」


「急に大きい声出すなよ....。」


「この学校テスト多くない?」


「そりゃ、進学校だし、地味に頭いいし。」


「初めて知った。」


進級できなかったらどうしよう....。


あること早く言ってよ!






「ユリ、この部屋で一緒に受けないか?」


急に真剣な顔でいう葵。


「え?」


「お前を教室には行かせたくないんだ。」


「どうして?久しぶりに行こうよ。」


「なんか嫌な予感がする.....。」


そういう葵はいつもの強い態度らしからぬ弱い瞳で見つめてきた。


「大丈夫だよ?私は。いじめられるのなんて慣れてるし。」


私は自嘲気味に笑った。


いじめられるのなんて私にとっては珍しくなんてない。
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