お嬢様の秘密
「そうか....。」


そう言って葵は遠くをぼんやりと見つめていた。


何かあったのかな?


聞き出しにくいし....。


よし!


話題を変えないと.....。


「葵?」


「なんだ?」


あれ?


いつもの態度に戻ってる?


「私がいない時の授業の内容教えて?」


「ああ....。いいよ。」


葵は指をパチンと鳴らした。


「吉崎、用意して。」


「じゃあ私は取ってくるね。」


そう言って立ち上がった私を無理やり座らせた。


「いや、待て。吉崎に行かせろ。」


「なんで?」


「今、お前に執事はいないだろ?」


「玲央が...。一応第2執事だから。」


「玲央か....。今あいつは校舎にいる。さっき俺宛にメールが来た。用をいうのは無理だ。」


「そうなの……。そこまで言うならお任せしようかしら……。」


執事にやらせたがる葵。


これくらいは自分でやらないの?


葵って何者?


今更ながらに思う私………。


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