お嬢様の秘密
「もしかしてやったことないのか?」


いたずらっ子のような目に照れた私が写っていた。


「ファーストキスよ………。キスに慣れていない私はやっぱり嫌?」


葵から顔を背けて少し拗ねた。


「お前は意外と小悪魔だな。いや、慣れてないほうがいいな。



お前のファーストキスが俺でよかったな。」


……\\\\\\\


よくもそんな恥ずかしいことをさらっと………。


私も仕返ししよう。


私は葵の袖をクイっと引っ張り、もう一度上を向いた。


………昔男を落とすのよ!!と張り切っていた夏菜が勝手に教えてくれた術なんだけど。


「もっかいキスして………?」


小さい声で言ってみた。


「…………しょうがないな、お姫様。」


さっきとは比べものにならない激しいキス。


「…んん…///……あ………あ……あおい………。」


声が漏れちゃう………。


「お前の声聞かせろよ。 ユリ。」


なんでそんなに悔しいくらい余裕なの………。


それでも私は今までにないくらい幸せな気持ちだった。


葵の激しいキスを受け止めながらいつの間にか寝てしまった。





後日談なんだけど、吉崎さんは気を効かせて出て行ってくれたみたいです。







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