お嬢様の秘密
-真理亜side-


「一気に春らしくなったわね....。」


自室から見える庭には一面に花が咲いている。


「私も同感でございます。」


出された紅茶をゆっくりすすった。


「こんないい季節になったのになんだか気が重たいわ。あの子は私のことを差し置いて....。もう一度監禁したほうがいいのかしら?」


「お嬢様の思うがままに、私はいたしますよ。」


思うがままに....ね。


「ちょっと疲れてしまったわ。私を一人にしてくれる?」


「かしこまりました。」


そういい執事は出て行った。






私は部屋の奥の扉からバラ園に車椅子を引いて移動した。


まだバラは蕾だ。


「ユリさん...?あなたの秘密をバラしたらあなたはどうなるのかしら??」


フフフ....。


自然に笑みがこぼれるようだった。


そして手に取った蕾をパチンとハサミで切った。





「この世は全て私の思うがまま。歯向かえば破滅へ追いやるわ………。」


切った蕾は地面に打ち付けられた。


私を怒らさない方が身のためでなくって...?


-真理亜side end-


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