お嬢様の秘密
周りには誰もいないからここで報告しておこうかな………。


夏菜のテンションは暗いけど話すチャンスは今しかないかも。


「か、夏菜………?」


「なあに?改まっちゃって。」


可愛く首を傾げた夏菜の緩くかかったウェーブが揺れた。


「あ、葵とね………。




付き合うことになったの…………。」






「…………………」


ああやっぱり似合わないとか言われちゃうのかな………。


「……………はあ。……………やっとか!!どうりで最近色っぽくなったと思った!!」


え?


「やっとって?」


「やっとよ!ずっと両思いだったのになかなか付き合わなかったもの。ユリから報告を聞くのを楽しみにしてたの!!」


「に、似合わないとか言われるかと………。」


「ええ。似合わないわ。」


やっぱり夏菜もそう思って………。


「あなたの考えてる“似合わない”とは程遠いと思うわ。あなたのその考えは捨てなさい!ユリほど高澤君とお似合いな人はいないわよ。

あなたは危険すぎるほど鈍感なの!!自信を持ちなさい!!」


「は、はい………。」


興奮ぎみに怒られたけど………。


つりあってるって言われてすごく嬉しかった。


そのあとは葵のことで突かれながら楽しくお花見をした。
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