お嬢様の秘密
寄り道をしなかったので1時間ほどで家に着いた。


「ただいま...。お母さん?急に呼んだ?」


--奥の方から走ってくる音が


「おかえり。早く来なさい。」


挨拶を適当に返された私は、お母さんに置いていかれないように急いで着いていった。


夏休みに部屋数を数えていたら迷子になっちゃったからもう一回覚え直さなくちゃ。







屋敷をさまよいながら歩くこと15分。


見たことがない部屋に連れてこられた。


「お母さん.....。この部屋何?」


「普通の部屋よ。何の変哲もないわ。」


この屋敷でその言葉は信じがたい。


「とりあえず入りなさい。」


言われるがままに入ると確かに何の変哲もなかった。


フツーの家にあるフツーの部屋って感じ。






「お母さん。もうそろそろ本題に入ってよ。私は、お花見でゆっくりしてたところをリムジンで呼び戻されたんだからね。」


「あなたってホント花見好きね。そんなに好きならここに戻ってきて庭で存分にやればいいのに。」


まぁ確かに。


でもそろそろ家に戻ろうとは思ったんだよね。


学園が始まるまで後1週間しかないし。


夏菜は荷造りが出来しだい一旦家に戻るって言ってたし。
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