お嬢様の秘密

それから。


難なく授業が進み.....。


帰る時間になり、いつものように夏菜が私の席に来る。


「帰るついで見に行かない？もう噂になってるよ！」


「何の噂？」


「テストの満点のこと。忘れてたの？」


「忘れてはないけど。でもお母さんがね、わざわざ人ごみの中にテストの点数なんて見に行かなくてもユリが家に帰る頃には全員の順位と点数が見れるよって言ってたよ。」


「なんで？どういうシステム？」


「さあ？」





他愛ない話をしながら校門に行くと、いつものリムジンが止まっていた。


「お嬢様。お乗りください。」


「ちょっと待って玲央が.....。」


「俺ならここにいるけど。」


「「いつの間に...」」


「俺だけ置いていかれるのはイヤだしな。」


そう言って車に乗った。


人の車なのに.....。


でも私のではないか。


「ったく。何やってんだよ。お嬢様の前で。」


「桜井？」


「何でございましょうか？」


「あなた今何か言わなかった？」


「何も言ってませんけど。」


そう言って私が乗ったあと静かにドアを閉めた。


何か怪しい....。