お嬢様の秘密
「とりあえず、雷也は部屋から出てて。」


「かしこまりました。」


これでこの部屋にはお母さんと2人きり。


「あのね......。今日は言いたいことがあって呼び戻したの。どうせ春休みなんだから戻ってくる気はあったでしょ?」


「そうだけど。そんなに大事な用事なの?」


「親友の話って言ったらあなたは大事な用だとは思わない?」


「親友の話だったら確かにすぐに戻りたくなるけど...。何?」


「私の口で話すより本人から話してもらったほうがいいわね。」


お母さんはそう言うと、パチンと指を鳴らした。





「そろそろ呼ばれると思っていましたよ。沙那奥様。」


部屋に入ってきたのは.....。


「玲央?」


「そう。玲央本人から話してもらうわ。」


「ユリ....いえ、ユリ様。お話しておきたいことがございます。」


「何?普通にタメ口で喋って欲しいんだけど....。」


「そういうわけには参りません。」


玲央は静かに深呼吸をした。





「私は高2は進学せず、イギリスへ留学します。」


え.....?


今なんて?


時が一瞬止まったように思えた。


「玲央....?なんで?」


「将来的にユリ様の第1執事としてお仕えするためでございます。」






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