お嬢様の秘密
-玲央side-
言わなきゃな....。
「イギリスに少し留学する」っていう少しの言葉がなかなか言えない。
俺らしくねぇよな。
アイツは俺の前では絶対泣かない。
俺は頼られてないってことだろ?
幼なじみなのにな。
情けねぇ。
目立たないように普通の車に乗った俺。
ユリの前では雷也叔父様が送ると言っていたが、兄貴だったのか……。
なんとかごまかしたんだな。
運転席にいた兄貴になんとなく聞いてみたくなった。
「なあ兄貴?」
「なんだよ。急に。」
「兄貴が留学するときもこんな感じだったのか?」
「旦那様の命令でってことか?」
「まあ.....。」
「違う。俺の時は一通り小学6年で大学までのすべての勉強過程を身に付けた後、旦那様に挨拶をしてイギリスに行った。
ちょうど今頃....小学校を卒業した後だったな。」
長男と次男では完全に執事になるためのプロセスが違うんだ....。
俺が物心ついた時から兄貴はずっと机に向かっていた。
親から『邪魔するな』と言われ、ほとんど顔を合わせることなく、もちろん話すことなく....。
いつの間にかこんな歳になっていた。
言わなきゃな....。
「イギリスに少し留学する」っていう少しの言葉がなかなか言えない。
俺らしくねぇよな。
アイツは俺の前では絶対泣かない。
俺は頼られてないってことだろ?
幼なじみなのにな。
情けねぇ。
目立たないように普通の車に乗った俺。
ユリの前では雷也叔父様が送ると言っていたが、兄貴だったのか……。
なんとかごまかしたんだな。
運転席にいた兄貴になんとなく聞いてみたくなった。
「なあ兄貴?」
「なんだよ。急に。」
「兄貴が留学するときもこんな感じだったのか?」
「旦那様の命令でってことか?」
「まあ.....。」
「違う。俺の時は一通り小学6年で大学までのすべての勉強過程を身に付けた後、旦那様に挨拶をしてイギリスに行った。
ちょうど今頃....小学校を卒業した後だったな。」
長男と次男では完全に執事になるためのプロセスが違うんだ....。
俺が物心ついた時から兄貴はずっと机に向かっていた。
親から『邪魔するな』と言われ、ほとんど顔を合わせることなく、もちろん話すことなく....。
いつの間にかこんな歳になっていた。