お嬢様の秘密
10分くらいしたら玲央はゆっくりと私から離れた。


「ゴメンな....。急に....。」


「いいよ、怒っていないから。昔よくやってたじゃない!今更謝ることじゃないわ。」


照れ隠しにそう言って笑ってみせた。







「夏菜....。あのな....。」


決意を固めた顔で私と向き合った。


「俺、4月からイギリス留学してくる。」


え.....?


「成績がよければ半年で帰ってくるから。」


そうだよね。


玲央は執事が家業だもんね.....。


「そっか....。じゃあ前に会ったとき機嫌が悪かったのは.....。」


「あぁ。そのこと聞いて焦ったんだよ。」


「焦ったの?なんで......?」






「いいか?1度しか言わないからな?」


そう言うと私の耳元に近づいてきた。








待って.....。


すごいドキドキするんだけど......。







「俺、出会った時からずっとお前....夏菜のこと好きだから。


だからお前と離れたくねぇ-んだよ....。」







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