お嬢様の秘密
「桜綺麗だな.....。」


部屋を出たあと、2人で散歩をすることになった。


今は学園内で一般公開中の桜の名所にいる。


見事に満開だ。





近くにあったベンチに座った。


「帰ったらユリに言おうね。」


「アイツが一番心配してるからな、お前のことを。」


「そうなのかもしれないね。葵と付き合うって聞いた時もどこか心配そうに私を見ていたし。」


「あに2人付き合うことになったんだ………葵は教えてくれないしユリには会わなかったし………。

あいつら俺にも教えろよな。」






急に私を抱き寄せた。


なんか多いな....こんなこと。


「夏菜.....。言いたいことがあるんだけど。」


「何....?」


「もう俺の前では強がるな。」


「え.....?」


「少しは泣けよ。」


どうして....。


「どうしてわかったの....?頑張って隠してたのに.....。」


「考えるな。少しは泣けよ.....。」


腰に手を回された。


今までより強く.....。


いつもの玲央の香りに包まれて.....。



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