お嬢様の秘密
-玲央side-


今、俺は幼なじみ2人の制服の試着に付き合っているんだけど....。


いつも思うけど、この2人はなんでも似会うんだよな.....。


女嫌いな俺だけど、この2人だけはずっと付き合おうと思える。


幼なじみとしてな。


まぁ、俺の好きなのは夏菜だけど....。


夏菜は俺がユリのことを好きだと思っているが…。


勘違いにも程がある。


それにしてもなぜ奥様は急に裃学園に転校させると言いだしたんだ??


あそこは共学だから、昔一時だけ通ったことがある俺まで.....。


それだけが気がかりだが.....。


「玲央?どうしたの?」


ふと気がつくと、夏菜が俺の顔を覗き込んでいた。


「あぁ....。何でもない。」


「そう。」


いまいち会話が続きそうにない。


「俺が部屋にいない方がいいだろ?俺ちょっと抜けるわ。」


「うん、分かった。じゃあ夏菜とずっとここにいるから戻ってきてね。」


否定してくれないのが悲しいけど、ここは女同士、2人にさせてあげた方がいいだろう。


俺はユリの部屋を出て、奥様の部屋に行った。


「ふーん。玲央はそこが気がかりに思っているのね。ユリが理央と玲央が兄弟であることを知らない様子に。」


奥様に話を持ちかけてみた。


「でも、私の口からは言えることではないのよ、それだけは。」


なぜですか。


そう聞いてみたかったが、奥様の表情が一瞬曇ったので聞けそうにもなかった。


「わかりました。」


「玲央。あとは頼むわよ。」


奥様からしっかりと頼まれた。


部屋を出ようとしたとき。


「玲央?あなたはいったいどこまで知ってるの....?」


そんな呟きが聞こえてきたような気がした。


-玲央side end-



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