お嬢様の秘密
「それとね、あなた方にいろいろと言いたいことがあるの。」


シルバーは席に着いて一息つくとゆっくりと話始めた。


「あら?玲央はいないのね?」


「教室を出てから一度も見てないので。」


そう答えたのは夏菜。


「たぶん玲央は知っている話だから別にいいんだけど、普通この学園に入ったら、一番低いランクの寮に入らなきゃいけないの。」


「それは説明会で聞きました。名前がD寮でしたっけ?」


成績順で寮のランクが決まる仕組みがある。


D<C<B<A<Sの順になっている。


で、噂ではSの上には1人しか住めない寮があるらしい。


これはシルバー様から直接聞いたわけじゃないから信憑性はないけど。


「見てのとおり、ここはS寮。あなたたちは理由があってここにいるけど、普通は違うってことをもう一度覚えておいてほしい。」


「「分かりました。」」


「ここの学園は親の権力とか使ってくるから気をつけて。」


「生徒会とか権力使えそう…。」


「この学園にそんなのは存在しないわよ。」


「え?」


「だってもしそんなのがあったらどうなると思う?

親の権力や自分の思い通りに働かせれる取り巻きを利用してこの学園を支配するわよ。」


「確かに…。」


「だから先代の学園長がなくしたの。」


「なんか怖いな…。」


「大丈夫よ!!困ったら私を頼りなさい!助けてあげるから。」


そう言ったシルバー様の表情は少し寂しそうな表情だった。


それから3人で他愛もない話をしていた。



なぜだろう?


シルバーがおっしゃった言葉…。


“困ったら私を頼りなさい!助けてあげるから。”


どこか遠い記憶で聞いたことがあるような…。




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