お嬢様の秘密
「あの....。」


「ああこの方か。この方はな....裃学園の学園長、ローゼ様だよ。」


「「裃学園!?」」


夏菜と私は声を揃えて驚く。


裃学園と言えば知らない人はいないという最高級の私立高校!!


学費は月2億だから...財閥の令嬢とか、名家のお嬢様とか御曹司とかしかいないって専らの噂。


庶民には遠い遠い夢のような学校。


でも...そんな学園長がなんでここにいるの?


「校長室に来てもらったはいいが、そんなに大した用ではないんだが...。」


じゃあ呼ばないでくださいよ、と心の中でツッコミを入れる。


「今すぐ秋本の家に向かいなさい。今日からテスト週間だが、入試満点の君たち3人なら早退しても支障はないだろう。」


なんという決め付け....。


でも授業は眠たくなるだけなのでありがたい。


「校長。私も着いていきますわ。」


「かしこまりました。」


....さすがの校長も裃の学園長には逆らえないよね....。


「では早退手続きはやっておくから君たちは下がりなさい。」


「失礼しました。」


玲央があいさつをし、校長室を後にした。



そのあと、教室へ私たちは急いで向かった。


「なんかラッキーだね!うちらだけ早帰りだなんて!」


「本当だよ!....だけど、クラスの人たちから変な目で見られてる。」


「そりゃそうでしょ...。3人が一気に早退するからね.....。」


「そろそろ時間だぜ。」


「何の?」


「迎えの。今連絡来た。」


「じゃあ行こうか...。」


「「「きゃああああ!!!」」」


「.....また出たよ。女の子の声援....。」


「玲央ってホントよくモテるね。」


「玲央?私たち先行ってるね!」


「おい!待てよ!ユリ、夏菜!」


玲央、がんばってね!


私たちまで女の子の群衆を退治するのは面倒だから。


「少しは地獄から救えよな。」


玲央のつぶやきは女の群衆にかき消された。


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