お嬢様の秘密
翌日。


教室に着き、夏菜を人が全くいないところに連れていって相談してみた。


「何それ?気にしなくていいよ!!きっと誰かが部屋を間違えて置いたんだよ!」


「そうだと良いけど.....。」


私の心はなかなか晴れない。


「シルバー様に言ってみたら?」


「なんで学園長に?言っても無駄だよ。」


「困ったら相談しろって言われたでしょ?」


「別に困ってなんか....」






「顔に困ってるって書いてあるぞ。ユリ。幼なじみだからわかるんだよ、俺と夏菜は。」


急にやってくる。


女子に囲まれている玲央には居場所をいっていないのにどうしていつも居場所がわかるんだろう?


「玲央.....。背後から話しかけないで。昨日から寝れないんだから。」


「そんなこと知ってる。」


「どうして私たちがいる場所が分かるの?」


「それは俺の大事な幼馴染だから。」


当たり前だろ?と胸を張って言ってくれる玲央を見て心が少し落ち着いた。






そのあと、授業が始まるまでその話をしていたが、心は黒い靄がまた溜まっていく。


少し疲れたかも。


玲央と話すと必ず周りが聞き耳を立てるからゆっくり話すことなんて出来ないし。


夏菜には迷惑をかけたくないし。


今日の授業は幸いにも、ふつうの授業だったので良かった。




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