お嬢様の秘密
一方。


「ねぇ?薔薇って効果あったかな?」


「私は無いように感じました。」


「そうよね....。」


ベッドに横になるお嬢様と傍らに控える執事。


お嬢様は起き上がり、近くの赤いバラを手にとった。


「でもね。私は黒い薔薇は人の心に黒い靄をかけることができると思うの。」


-パシャン


不気味に咲いた薔薇が床に落ちる。


「人を不安にさせるのにいい花だと思わない?」


「たしかにそうでございますね。」


執事の返答に満足したお嬢様は満足げに微笑んだ。




彼らの名前はなんなのか?


「次は....。」


「お嬢様。お考えになる前に病気を治しませんと....。」


「そう?最近は体調がいいから。」


お嬢様はそう言って寝てしまった。




「ではお嬢様の代わりに私が....。」


執事はいったい何をするつもりなのか?


いつの話かもはっきりしない。
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