お嬢様の秘密
最近葵から呼び出しが増えた。


最初は嫌だったけど、だんだん楽しみになる自分がいた。


葵は私の些細な変化によく気づく。


夏菜ですらわからないことを.....。


葵の隣にいると落ち着くんだ。


みんなの高澤くんなのにね....。


「高澤くん、ユリのこと好きなんじゃないの?」


「変なこと言わないでよ!誰が聞いてるかわからないんだから。」


「ごめん。」


でもあからさま否定した自分が悲しくなった。




今は7月の半ば。


前だったら暑い!って言いっぱなしだったかもしれないけど、ここはエアコンがすごく効いてる。


しかもエコ。


最高なのはいいんだけど、今日はテスト発表。


少し前に期末テストがあった。


上位5人がSランクに入れる。


つまりトップクラス。


葵はたぶんSにくるだろうから他の子達はみんな気になっている。


「玲央様も、葵様も、上でしょ?私そこがいい!!」


「あなたの成績じゃ無理よ。」


「そうよね....。これだけは親に頼めないものね....。」


という会話が聞こえてくる。


もう8時だ。


発表は8時で、席についたら今期修了。


集会はないのであとは帰るだけ。


長い長い....夏休みの始まり。

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