お嬢様の秘密
-葵side-


マジかよ....。


俺、昔っからくじ運ないんだよな....。


まあユリと出来るなら文句ないけど....。


「おい高澤!俺と変わってくれないか!!」


まわりの奴らが言い寄ってきた。


委員会はめんどいけど、ユリとやれるなら絶対譲れない。


女がユリになったとたん変えろって言うなよな。


「秋本さん変わってくださる?」


「いいですけど.....。」


おい!


アイツ変わる気かよ!


でも、少しは安心がある。


公正に決まったものを許可なしに勝手に変えると退学になることがある。


ユリもそんな危険なことはしないだろう。


実際に10年くらい前にあったらしいし。


「では決まりました。秋本さんと高澤君はこの後から授業でなくていいのでさっそく取り掛かってください。」


このためだけに授業でなくていいとか....。


この学園すげーな....。


「では学園祭は3週間後ですね。」


もともと俺は授業に出てなかった。


というか部屋のモニターで待機してるのも一応出たことになっている。





いつの間にか担任はいなくなっていた。


「高澤君....?よろしくね....。」


教室では名前で呼んではくれないか....。


だよな、ユリの近くにいる女なんてスゲー顔で先生睨んでたし。


「あぁ....。」


「じゃあ今からシルバー様のところへ行こっか...。」


男、女の視線を痛いほど浴びながら俺らは学園長室に向かった。


-葵side end-
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