お嬢様の秘密
葵の部屋で談義中。


「葵....良かったね!少し手間が省けたよ!」


「それはそうだけど。おかしいと思わないか?俺らにだけあの待遇。」


「そりゃ思うよ。なんで私たちに、よりによって庶民の私に。」


葵は深く考えてしまった。


でもさ、私って人のプライバシーを深く探ることはしたくないんだよね....。


「葵....。考えるの止めよ?誰だって言いたくないことあるって。」


「そうだな....。よし、時間がないな。
クラスの女子が出し物勝手に決めてって言ってたから俺らで考えるぞ。」


「私も同じようなこと言われたよ。夏菜と話していたら男子が寄ってきて。」


「男子....。」


「夏菜目当てだよね!追い払うの大変だった!もう、全くどこ行ってもモテるんだから....。」


少し苦笑してみせた。


「お前ってまさか....。」


「どうしたの?」


「いや....なんでもない。」


「話が脱線したね。えっと....。」


「出し物だったな…。カフェでいいか?」


「うん。」


「制服のデザインは俺に任せてくれないか?」


「いいよ。葵が考えてくれるの?」


「そういうわけじゃなくて。俺の親戚がファッションデザイナーだから。すぐに報告しておくから。」


葵の親戚っていうだけでなんかすごそう。


「ありがとう!じゃあ桜井行こっか....。」


「かしこまりました。」


桜井がいたのは学園長室に出てからすぐ。


なんかずっと待っててもらうのって申し訳ないな....。
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