お嬢様の秘密
準備にバタバタと追われ、気づけば学園祭当日。


とりあえず用意はなんとかなった。


「葵!いよいよだね。」


「ユリはこういうの楽しくなるのか....。」


葵がフーっと一息ため息を吐いた。


「なんで?」


「俺さ、女に騒がれてまともに楽しめたことないんだよ。」


「.....。」


さりげなく出た自慢.....。


「お前ならそういうことあるだろ?」


「ないって!!騒がれるのはいつも一緒にいる夏菜だけだから!!」


「鈍感確定だな。」


「なんか言った?」


「言ってねーよ。」


そろそろ時間だ!


「じゃあ私、先に行くね。葵がデザインしてくれた衣装を届けなきゃ。」


「分かった。じゃあ学園祭の仕事が一通り終わったら連絡して。」


「うん。じゃあね。」


私は葵の部屋出た。


ちょっとした打ち合わせのために来るようになっていたんだ。


学園祭楽しみ!




「あ、来た来た。秋本さん!メイド服は?」


いつも私に対して無視を決め込んでいる女子達も葵が委員をやっているとなれば黙って言うことを聞いてくれるようになっている。


「今持ってます。」


「「お--------!!」


うるさっ!


男子も女子も大声をあげている。


「こんな感じ。納得してくれる?」


「きゃーっ!これかわいいじゃん!秋本さんのデザイン?」


「ううん。私じゃなくて、あお...高澤くんがデザイナーに頼んでくれたの。」


ヤバイ。


葵って言おうとしちゃった…。
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